19年度ゆきとどいた教育を20求める要請行動&全国署名集約集会
と き:2019年12月6日(金)
ところ:東京都
概 要
ゆきとどいた教育をすすめる会は、2019年度教育全国署名の請願内容について国会議員に対して要請行動を行いました。
はじめに小畑雅子さん(全教中央執行委員長)が、「日本の教育予算はOECD諸国の中で最低だ。OECD平均並みに予算を引き上げるだけで、小中高で35人以下学級の実現ができ、就学前から大学までを無償化することができる。国会議員一人ひとりに訴え請願項目を実現させよう」と呼びかけました。
岐阜県・高知県・福島県の代表がとりくみ報告を行いました。3者に共通していたのは、深刻な教員の過剰労働の実態と教員不足問題です。地方財政は厳しく、国の責任で教員定数を増やすこと、1年単位の変形労働時間制度を導入しても教員の労働環境改善にはならないことが述べられました。
ゆきとどいた教育を求める全国署名は、35人以下学級の実現、教育無償化、教育条件の改善の3点を柱に構成されています。国会議員要請では、少人数学級の実現、教員定数の抜本的な改善が教職員の長時間過密労働解消につながること。貧困と格差が教育格差につながらないようにするための、教育無償化の実現。すべての高校生・大学生の学びを支える奨学金制度を確立し、私立高校や大学の学費引き下げを進める必要があることを訴えました。
国会議員要請終了後は、全国署名集約集会が開催されました。全国で389万8834筆の署名を集約しました。
波岡知郎さん(全教中央執行委員)が基調報告を行い、「教職員の長時間過密労働解消が重要な課題になっている。国会では現役の公立高校教員が参考人質疑で意見陳述を行った。1年単位の変形労働時間制は残念ならが可決されてしまったが、都道府県・市町村、学校でのとりくみではね返して欲しい」と述べ、「当事者が声を上げることで実際に政治が動いている。福井県では、私立高校生が父母とともに対県要請を行った結果、年収910万円未満世帯までの授業料無償化と私立高校に通う全生徒の入学金を公立高校入学金と同額にすることが発表された」と会場を励ましました。
また、英語の民間検定試験利用に対して、拙速な導入は中止せよとの声が上がりました。最初に声を上げたのは大学生や共通テスト一期生となる高校2年生でした。Twitterを駆使して仲間を集め、文科省前、国立大学協会前、官邸前で抗議行動を展開し民間検定試験利用を延期に追い込みました。社会の問題を自分事にしていくことで、仲間が増え、社会・政治を変えることになります。
教職員・父母からの発言では、「教員はあまりの多忙さゆえに大局的な見方ができなくなっている。そのため、自分で考える余裕もなく言われたこと、与えられた業務に何の疑問もはさまないでいる」「教員が多忙であるためにきちんと子どもに向き合ってもらっているのかどうか不安。署名にとりくむことで教員を励ましたい」とありました。私立高校に通う生徒たちからは、学費の負担に苦しめられている実態の告発が行われ、「学ぶことは自己責任とされる考え方を変えたい」と発言がありました。
最後に集会アピールが読み上げられ、誰もが経済的な心配をせずに学ぶことができる社会を実現する決意を固め合いました。
岡山県 教育署名提出
11月28日(木)、ゆきとどいた教育を求める岡山県民の会は、岡山県に教育署名15704筆を提出しました。共同代表の弓田さん、岡山高教組の豊田書記長ら7人が参加し、岡山県議会の蓮岡議長と懇談。
弓田さんは、「少人数学級の実現のためには今よりも教員を増やさないといけない。教員を増やそうと思えば、処遇面での改善も必要だ。ぜひ、教育予算を増やして欲しい。岡山県の教員不足は深刻で報道を見るたびに不安を感じる。また、子どもの貧困が進んでいることからも、給食費無償化を実現し、子どもが安心できる学校環境を作って欲しい」と訴えました。
豊田さんは、「教員不足が深刻で授業ができない現実もある。こうした現象を教育に穴が開くと表現しているが、住む場所が違うことで受ける教育に格差が生まれてはいけない。そして、教育を受ける権利が保障されるよう教育は完全無償にすべきだ。高校生の頃から奨学金という教育ローンを負わされる状況は、子どもの将来に不安を与える」と発言。
蓮岡議長は、「すべての子どもにゆきとどいた教育が実現できるよう尽力していく。教員不足の状況は認識している。県議会でも議論を深めたい」と返答。
最後に弓田さんが、「岡山県の人口動態データを見ると若い齢層の流出に歯止めがかかっていない。岡山県はかつて教育県として知られていた。そこと無関係ではないはずだ。教育を充実させてこそ活力ある岡山を実現できる」とまとめました。
懇談終了後、「教育予算増額」「給付制奨学金実施」など11項目にわたる議会請願を提出しました。
先生を増やそう!
10月8日、東京では教員の長時間労働を考える集会が開かれ、政府のねらう変形労働時間制導入への批判が相次ぎました。
「教員は定額で働かせ放題」「労使協定も結ばないから保証なし」「業務量を減らすか、定員を増やして、8時間で帰れる職場に」
先生を増やすことで解決するほかありません。
10月8日付の山陽新聞には、公立学校講師足りません!の記事が・・・
「出産や病気などで休む教員に代わる常勤、非常勤講師を十分に確保できない状況が続いている」
そのため、1ヶ月以上の欠員が14人に上るとのこと。「教育に穴が開く」が常態化している由々しき実態です。
教員の「不足」数は、前回知事選時1,100人(岡山市含む)と公表していました。9月の「県との懇談」では、「公表しない」との回答。
教員の採用控えが講師不足を生んでいます。
もとめる会署名の県宛て要請項目でも、教員採用を求めています。
実態を知らせて、多くの署名を県議会へ。