岡山市教育委員会への緊急要請

と き:2020年7月15日(水)

ところ:岡山市

概 要

 

新型コロナウイルス感染症の拡大による臨時休校が、岡山市では5月21日から再開されました。保護者からは「学校は安全なのか」「三密は避けられない」と心配する声が多数聞かれました。現行の40人学級では子どもたちのいのちと健康をまもることができません。大規模校が多数ある岡山市では、特に深刻です。

 

こうした状況で7月15日(水)、おかやま教育文化センターは、岡山市教育委員会 菅野和良教育長に「20人学級」を展望した少人数学級の実現を求める要請を行いました。要請項目は以下の2点です。

1.少人数学級(20人程度)を早急に実現すること 

2.少人数学級の指導に対応できるよう、教職員を増員すること

 

要請参加者は、「岡山市は35人学級にしたら、学級の人数が18人になるという。しかし、岡山市の実態からしてあり得ない。大規模校では5~6人減にしかならない。いま全国知事会全国市長会が感染予防のために少人数学級実現と教員確保を求める提言を文科省に出している。伊原木岡山県知事や大森岡山市長もそのメンバーだ。教育長が率先してイニシアティブを発揮し後押ししてほしい」と訴えました。

 

これに対して、「岡山市は人数の多い学校が多いため、定数減(40人→35人)を実施すると学級増になる。今のままだと教室が足りない問題がある。そして、35人定数になると、18人と18人になりと学習の集団としては良いが、生活集団としてはどうなのか疑問もある」とこれまでの返答を繰り返しました。

 

また、修学旅行等の中止・延期について、「学校行事を通して身につく力は大きいことはわかっている。代わりのものを考えている。小学校も修学旅行を3学期に実施予定だが、これもリスクは高いのが現実だ」と話し、「入試について今は県が出題範囲を狭くするとは言っていないので、中学校現場の実態、第二波、三波を考えて決定していく。対話型の授業ができない、大きい声を出さない、マスクをして声が聞こえにくいなど、授業にも影響が出ている」と岡山市としての対策・代替案について言及しました。

 

〇寄せられた教職員・保護者・子どもの声

 

・分散登校を実施した学校では、「密が避けられたのはもちろん、少人数学級で子どもたちにきめ細かな指導ができた 少人数指導の良さを実感した」という教師の声がきかれた。ぜひとも、子どものいのちを守るためにも手厚い指導のためにも少人数学級を実施してほしい。

 

・子どもたちは登下校時もマスクをしているし、密にならないように、休み時間も一斉に運動場に出ないなど制限が多い。子どもたちは窮屈な中でも我慢している

 

・中学校では、学校再開後すぐ自己診断テストがあった。先生も子どもたちも急いでいる。受験があるので、勉強 勉強になっているのは分かるが、学校行事は次々中止になって、行事から学んだり、行事で育ったりする機会がなくなっている。子どもから「中止慣れ」という言葉が出る

 

・学校のいろいろな行事が中止になった。運動をやっているがその全国大会などことごとく中止。子どもたちの残念さは計り知れない。国は「GO TO トラベル キャンペーン」と言って旅行を勧めているのに、修学旅行の中止は子どもに説明のしようがなかった。先生に尋ねても「天の声」としか。

 

・臨時休業中はプリント学習が多かったが、授業もなにか違う。

 

・コロナはすぐには収まらないし、動物由来なのでまた新しい細菌が猛威を振るうこともある。そもそも、人間が儲けのために乱開発をしてきた結果だ。今も密になって心配だが、今年だけの心配ではない。まず、来年度から、現在1、2年生まで実施している35人学級を3、4年に拡大することからやってほしい。次は5、6年と展望をもってやることだ。

 

・K小学校は1、2年が2クラスで3年生から1クラス(19人→38人)、S小学校は1、2年生3クラスから3年生2クラス(26人→39人)になり、教師からも保護者からも「勉強は難しくなるのに学級の人数が多くなって一人一人にゆきとどかない」「子どもの数は同じなのにどうしてクラス数が減るのか」という声をきく。